研究課題/領域番号 |
25370171
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 金沢美術工芸大学 |
研究代表者 |
鈴木 浩之 金沢美術工芸大学, 美術工芸学部, 准教授 (60381688)
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研究分担者 |
大木 真人 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, その他部局等, 研究員 (80578302)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 芸術 / 人工衛星 / ALOS-2 / だいち2号 / 教育 / アートプロジェクト / 宇宙 |
研究概要 |
種子島宇宙芸術祭プレイベント2013アーティスト・イン・レジデンス・プログラムとして、平成25年年8月12日~9月16日の期間に種子島宇宙センター宇宙科学技術館にて「たねがしま座」プログラムを映像と展示にて紹介した。同展示では、鹿児島大学の学生らと共に本研究で利用する陸域観測技術衛星「だいち2号」が搭載する合成開口レーダーを地上で正反射させる為のコーナーリフレクターを製作し、これを展示した。鹿児島大学は平成26年度に小学生を対象とした教育プログラムに加わる予定である。この展示期間中、宇宙科学技術館エントランスにて、平成26年度に南種子町立小学校8校にて実施予定のワークショップを試験的に実施し、観光等で訪れた小学生や地元の小学生を対象として「たねがしま座」をベースに自由に新しい星座を考案する内容の絵画制作を鹿児島大学の学生と共に行った。また、宇宙芸術トーク2013と題されたシンポジウムが種子島宇宙センター内オーディトリウムにて開催され、「たねがしま座」について計画を紹介すると共に、パネリストとして今後の宇宙芸術分野についての討議に参加した。2013年9月には「だいち2号」を利用する世界中の様々な分野の研究者が集まってそれぞれの研究を紹介するALOS-2セミナー(宇宙航空研究開発機構JAXA主催)が平成23年9月19日から20日につくば国際会議場にて開催され、本研究は英語表記によるポスターセッションに参加し「たねがしま座」の研究計画を国内外に向けて紹介した。また、金沢美術工芸大学、多摩美術大学映像演劇学科にて本研究の計画と意義が紹介された。平成24年3月には宇宙航空研究開発機構JAXAが「だいち2号」を紹介する為の広報誌にて本研究の活動と今後の計画が紹介された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究で利用予定の陸域観測技術衛星「だいち2号」は、科研費申請時点では平成25年度夏の打ち上げが予定されていたが、打ち上げ延期が相次ぎ、最終的には平成26年5月24日に打ち上げられた。このため、平成25年度から開始予定の研究スケジュールが9ヶ月ほど遅れている。種子島における教育プログラムの実施準備はほぼ終わっており、平成26年10月に実施の予定である。平成26年4月4日には種子島宇宙センターにて、宇宙航空研究開発機構史上初となる小学生による打ち上げ前の人工衛星本体の見学会が実施された。一方、国内外での本研究を応用した美術制作プログラムの実施がティーズサイド大学(イギリス)、ミラノ市民間団体「Plug-in Citta」(イタリア)主催によって実施の方向で計画立てられ、つくば市での実施の可能性も検討が始まっている
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今後の研究の推進方策 |
運用開始が遅れている「だいち2号」が利用可能となる期間を待つ間に、運搬や保管のコストを下げつつ強度を増す為のリフレクターの改良を行うこととし、北海道苫小牧市におけるリフレクターの性能実験を行う。平行してALOS-2用簡易リフレクターの手引書の編集を行い、教育プログラムに活用する。10月には筑波大学宇工学システム学類「宇宙工学」の授業にて本研究が紹介される予定である。また、同じく10月には南種子町立小学校8校での「たねがしま座」プロジェクト教育プログラムを実施する予定である。このプログラムでは、星座が古来から旅の指針であったことから児童達の将来の夢をテーマとした絵を「たねがしま座」の形をベースに考案するワークショップを鹿児島大学の学生と共に各校にて実施する。また、12月には同じく南種子町立小学校8校と、これらに加えて種子島宇宙センターに協力を依頼し、金沢美術工芸大学にて6月から9月にかけて製作されたレーダー反射板「コーナーリフレクター(CR)」を現地で展開し、「だいち2号」から南種子町全体を合成開口レーダーにて撮像し、平成26年度末までに差分解析によって街の土地の変化した箇所を抽出する手法により、星空を模したグラフィック作品「たねがしま座」を完成させる。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初、本科研費研究初年度(平成25年度)に導入を見込んでいたグラフィックサーバ(平成25年度12月発注)が遅れ平成26年度にずれ込んだ。製造元での製品の生産が予定より大幅に遅れたためとの説明があった。幸い、本研究で利用する陸域観測技術衛星「だいち2号」の打ち上げが平成26年度にずれ込んだ為に、グラフィックサーバの研究への利用時期も先延ばしとなったため、5月24日の「だいち2号」の打ち上げまでに平成26年4月に納入されたサーバの準備を整えることが出来、影響は最小限にとどめることが出来た。また、「だいち2号」の打ち上げ延期に伴いリフレクターの製作材料費等の執行を科研費研究2年目の平成26年度に変更した。 購入が遅れていたグラフィックサーバを購入する。加えてリフレクターの製作を行う。
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