過度の視覚情報とシンボリックなサインで溢れ、実態のない概念的な空間が広がる現代社会では、人と人、人と環境の関係性の構築が困難になり、コミュニティの喪失や関係不全が起きています。この問題に対して、本研究では、芸術表現に携わる立場から、古代から人々が用いた空間性(洞窟遺跡、宗教遺跡、庭園、茶室等)を「自己定位の為の身体的対話」が潜在的に蓄積し組み込まれた共有空間として捉え、それをヒントに、人と人、人と環境が、実感を伴い、密接に相互関係がはかれる新たな回路、開かれたダイアログを可能にする共有空間を創出する実践的な創造研究である。
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