研究課題
基盤研究(C)
本研究は大恐慌期アメリカで農民救済を目的として撮影されたFSA写真を流通と受容のプロセスから検討した。1930年代のニューディール政策とフォトジャーナリズムと美術館を通じて、FSA写真はヒューマニスティックな写真芸術として、そして「貧しくとも強い」国民的記憶イメージとして受容されていったことを明らかにした。さらには国外での文化外交にも活用されたが、一方でそれらのプロセスは、今日にも続く被写体と観者との倫理的緊張を孕んでいたことが指摘できる。
芸術学・視覚文化論