本研究は、東アジアにおけるオーケストラ経営の比較研究を、サービス・マネジメント理論をふまえて行ったものであり、以下の四点を明らかにした。 第一に、オーケストラの成立から安定までのプロセスにおいては、そのプロセスをリードする個人のイニシアティブが重要であり、それは内部だけではなく、聴衆やスポンサーなどオーケストラ外部との関係性構築においても大きな役割を果たすこと。第二に、聴衆との継続的な関係づくりと、青少年オーケストラの組織や学校との継続的な提携関係が重要であること。第三に、企業や自治体との関係ではリスク分散の視点が必要であること。第四に、楽団員の雇用形態はオーケストラのあり方に関係すること。
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