研究課題/領域番号 |
25370193
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
冨田 美香 立命館大学, 映像学部, 教授 (30330004)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 映画 / 撮影台本 / 宮川一夫 / デジタル化 |
研究実績の概要 |
本年度は、宮川一夫による書き込みおよびフィルムのカット尻を貼り込みのある撮影台本を対象に、リストの作成、デジタル化手法の調査、資料保存方法の調査を行った。対象作品は、1945年の『東海水滸伝』(伊藤大輔・稲垣浩、大映京都)から1986年の『近松門左衛門 鑓の権三』(篠田正浩、松竹・表現社)までの撮影台本である。 特に、資料保存方法と連動したデジタル化手法についての調査は、国内のfilmマテリアル、non-filmマテリアルのデジタル化の最新状況をふまえながら、本プロジェクトのマテリアルに最もふさわしい方法を模索した。資料保存の方法については東京都写真美術館の専門家に、撮影台本とカット尻のデジタル化については東京国立近代美術館フィルムセンター、京都府京都文化博物館、株式会社イマジカウエストの各専門家の知見を得、それぞれの方法を確定した。並行して、権利者の了解を得ながら、必要な資材や体制の調整を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予定では、本年度中に、当該資料のデジタル化を実施する予定であったが、本年度は調査・調整・手法の確定・準備に時間をかけ、デジタル化は最終年度に行うことになった。 理由は、今回の資料のデジタル化をおこなうためには、撮影台本に貼り込まれたカット尻を剥がす=オリジナルの博物資料の価値を損なう、ことになるため、非常に慎重に調査と調整、最終判断をおこなったことによる。
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今後の研究の推進方策 |
上述のように、本年度慎重に調査・調整・手法の確定・準備を行ったため、最終年度にデジタル化を集中して行うこととした。調整・確定・準備を終えているため、最終年度は本研究をつつがなく推進できる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度はカット尻貼り込み撮影台本のデジタル化経費を予算化していたが、前述のようにデジタル化が博物資料の損壊につながることから、本年度はオリジナルの保存問題、デジタル化の方法、撮影台本とカット尻それぞれの保存方法を入念に検討し、関係者との調整をおこなうことを優先し、デジタル化作業を次年度に回したため。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度、保存方法、デジタル化の方法を確定・調整しおえたため、次年度開始と共にデジタル化作業をすすめる予定である。当該助成金は、そのデジタル化作業と、研究成果公開の費用に充当する予定である。
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