研究実績の概要 |
朝鮮半島における植民地都市のハイブリッド(hybrid)性の解明のために、調査分析検証の一次資料として取り上げている非文字資料をめぐって日本国内の所蔵先やソウルの関係機関を訪れ調査分析を進めた。引き続き、朝鮮工芸の近代化における日本の介入をめぐる調査・分析を進め研究報告を行った。植民地都市と「コリアンディアスポラ性」に関する調査の一例として、画家李仲燮の作品の「ニセ」訴訟に関する真偽をめぐる調査報告を行い議論の輪を広めた。 最終年度は、引き続き、済州大学校海洋環境研究所と連携して進めてきた第2回目の「学融合」(文理統合)研究の有効性をさぐる日韓の国際シンポジウム(International Meeting on Say about “Technology and Value of Brand”Oct15‐Oct17,2015,Jeju,Korea)を企画し、発表を持って参加した。本シンポジウム期間中には済州道の資源・自然・文化・産官学の実態に関する現地見学の中で済州道のハイブリッド性を探ることができた。なお、関係者の報告を韓国語で刊行するための編集を進めた。 最終年度の本科研の成果報告として初年度から推進してきた「非文字資料」をめぐる研究会の報告者を始め、第14回EAJS国際会議での写真絵葉書パネル(“Picture Postcards as Important Media for the Study of Japan: Imagi(ni)ng History”Faculty of Arts,in University of Ljubljana, Slovenia,Aug27-Aug30,2014)の関係者、そしてソウル調査の際に協議を行った関係者を中心に、研究成果報告論文集の活字化に関する諸般を進めてきた。本論文集は20世紀初頭の東アジアにおける植民地都市のハイブリッド性を中心に、非文字資料の生成とその収集と学術的活用をめぐる各分野の調査報告である。論文集は、現在初校確認を終えた段階で6月以後の刊行予定として進めている。
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