研究概要 |
当該年度においては、研究計画に基づき、画家カール・グロピウスについての基本調査を行った。 カール・グロピウス自身に関する単独文献はほとんど存在しないため、作家の家族背景などの調査に際しては、甥の建築家で、本研究の研究対象のひとりでもあるマルティン・グロピウスに関する複数の文献を比較検討することで情報を得ることとした。(例:Arnold Koerte. Martin Gropius, Leben und Werk eines Berliner Architekten, 1824-1880, Berlin 2013ほか) カール・グロピウスは画家として、建築家・画家カール・フリードリヒ・シンケルのとりわけ舞台芸術の仕事、さらにはパノラマ画に協力している。それがどのような類のものであったか、シンケル関係資料から情報を得ることとした。(例:Ulrike Harten. Karl Friedrich Schinkel, Lebenswerk, Die Buehnenentwuerfe, Muenchen/Berlin, 2000ほか) カール・グロピウスが設立し、後にベルリン工芸博物館(当初の名称はドイツ産業博物館)の開館時の会場となる「グロピウス風ジオラマ」についての基本情報を収集するとともに、いわゆる「ジオラマ」が当時の社会でどのような位置づけであったのかを知るために、当時の視覚(芸術)文化に関する論考を収集・検討した。(例:Sehsucht, Das Panorama als Massenunterhaltung des 19. Jahrhunderts, Ausstellungskat., Bonn, 1993ほか)
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