• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実施状況報告書

日本古典文学における続編の機能の基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 25370216
研究機関奈良女子大学

研究代表者

千本 英史  奈良女子大学, 人文科学系, 教授 (50188489)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード続編 / 文学史
研究実績の概要

前年度に調査した『続今昔物語』は2種ともに今昔物語集の巻25であり、「続」編でないことがあきらかになった。また『続宇津保物語』も神宮文庫本は通例のそれであり、高山郷土館本は「続」ではなく「読」であり、『宇津保物語』の字彙解説で(山本登朗氏の教示を得た)、目録リストの記載の誤りにすぎず「続」の名を付す古典が当初予想されたそれよりもいっそう限られることが判明した。また「続」を積極的に冠する作品に「偽書」の場合と近似して、近世期のそれが目だつことがある。「続無名抄」(岡西惟中『消閑雑記』)や「続徒然草」(清水春流『睡余操筆』)などは特定個人をある種「偶像化」しているものと考えることもでき、前回科学研究費補助金を得て分析した、近世期の「偽書」の一部との近似制を確認した。
海外および近現代の「続編」については、系統的な収集、分析を行うことができなかったが、特に児童文学分野などでのシリーズ化など、読者に対するアピールという観点からの商業的観点からの分析が今後必要であろうことが見えてきた。こうした傾向と軍記や和歌などとの「続」称との相違についてはまだ観点を得ていない。
年度末を利用して、当初初年度計画にあった島原図書館松平文庫に出張し、『淡海記』、『千本通』『続教訓抄』『続太平記狸首編』『三綱行実図』の5点の調査を行った。このうち前三者について、虫損、書込や摺り消し跡の確認まで含めて写真撮影を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

学内の役職等のため、充分な出張期間を確保できなかった。当初予定した大韓民国ならびにハノイ漢喃研究院などへの海外出張は果たせなかった。

今後の研究の推進方策

当初予定した「続編」文学の範囲を絞り込み、古典作品に「続」という文字がことさらに付加される意味について考察する。

次年度使用額が生じた理由

役務多忙のため当初計画した出張などができなかった。

次年度使用額の使用計画

次年度の出張についても、とくに海外への出張は困難が予想されるので、必要な関連書籍の購入などを中心にして執行する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 宗教と文学覚え書き その一2015

    • 著者名/発表者名
      千本英史
    • 雑誌名

      奈良女子大学大学院人間文化研究年報

      巻: 30 ページ: 125-132

  • [図書] 『集と断片』(『発心集』における集の再構成 一人称叙述を手がかりに)2014

    • 著者名/発表者名
      国文学研究資料館・コレージュドフランス高等研究所編(分担執筆千本英史)
    • 総ページ数
      416(分担59-76)
    • 出版者
      勉誠出版

URL: 

公開日: 2016-05-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi