研究課題
基盤研究(C)
本研究は、平安時代に成立した王朝歴史物語『栄花物語』の本文享受と再創造に関する探求である。『栄花物語』の伝本の中で、従来、等閑視されていた「異本系統」に分類される富岡本を取り上げ、本文の増補・削除・改変の具体相を抽出し、その属性を明らかにした。また、旧知の伝本「古本系統」「流布本系統」、そして新出の学習院大学本の三系統と「異本系統」との相互関係を検討し、「異本系統」が生み出された歴史的・文化的意義の解明を試みている。
日本中古文学