研究課題
基盤研究(C)
従来、『太平記』の作者像は外部徴証に頼って考察されることが多かった。本研究ではそうした手法には距離を置き、なるべく作品内部に手がかりを求めることにより、『太平記』作者の政治に対する姿勢、知的基盤を明らかにすることに努めた。また、こうした研究に基盤を成り立たせるためには、古態本の考察が不可欠である。本研究では従来、古態性を強くとどめるとされた神田本をとりあげ、その古態性を検証し、神田本が必ずしもすべて古態をとどめるわけではないことを指摘した。
日本中世文学