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2018 年度 研究成果報告書

「歴史・時代小説ブーム」の戦後精神史(二大作家の比較研究による)

研究課題

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研究課題/領域番号 25370239
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
研究分野 日本文学
研究機関早稲田大学

研究代表者

高橋 敏夫  早稲田大学, 文学学術院, 教授 (20236300)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2019-03-31
キーワード歴史小説 / 時代小説 / 悪党小説 / 股旅小説 / 市井小説 / 山本周五郎 / 藤沢周平 / 時代小説の戦争
研究成果の概要

本研究は1960年代から現在にいたる計4回の「歴史・時代小説ブーム」の内容と意義をそれぞれのブームを中心で担った二人の作家の比較研究を通して明らかにした試みである。4回のブームとは、司馬遼太郎と吉村昭の「歴史小説」ブーム、池波正太郎と隆慶一郎の「悪党小説」ブーム、笹沢佐保と諸田玲子の「股旅小説」ブーム、山本周五郎と藤沢周平の「市井小説」ブームである。最も長いブームは1990年代初めから現在までほぼ25年間続く「市井小説」ブームである。庶民の日常を細やかに描く市井小説は、作者の側からみれば戦争への抵抗から始っており、読者の側からみれば「日常生活」崩壊への抵抗に拠っているのを本研究で明らかにした。

自由記述の分野

日本近代・現代文学

研究成果の学術的意義や社会的意義

現代文学において現代小説は研究、批評の対象になっているのに対し、歴史・時代小説は書評の対象になっても研究、批評の対象にはなっていない。ここには純文学優位、大衆文学劣位という序列が顕在化している。しかし純文学の何十倍もの読者がいる歴史・時代小説を無視すれば、現代文学の大きな領域が見えなくなる。本研究は1960年代から現在までの歴史・時代小説の4つのブームの内容と意義を、ブームを中心で担った二人の作家の比較研究を通して明らかにした。中でも最も長い「市井小説」ブームについて、作者と戦争との関わり、読者と日常生活との関わりの両面からアプローチできたのは歴史・時代小説の意義を考えるうえで重要だろう。

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公開日: 2020-03-30  

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