研究課題/領域番号 |
25370256
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 豊田工業高等専門学校 |
研究代表者 |
松浦 由起 豊田工業高等専門学校, 一般学科, 教授 (10209497)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 武功夜話 / 戦国軍記 |
研究概要 |
新人物往来社から刊行されている前野家文書『武功夜話』は二十一巻を収録しているが、巻一~巻六までは六巻本『武功夜話』を利用し、巻七以降について、二十一巻本『武功夜話』を典拠としている。六巻本のほうが、同じような内容で読みやすかったために、こちらを利用したと訳注者から伺った。しかし研究資料として、そのままでは適当ではないので、さきに二十一巻本『武功夜話』の巻一から巻六までについて、松浦武と共同で翻刻し、ブックショップマイタウンから私家版として刊行した。マイタウン版に続けて新人物往来社版の巻七以降を読めば、二十一巻本を一応、連続して読むことができるようになった。しかし正確な翻刻を心掛けたマイタウン版と、仮名遣いも含めて現代風に読み下した新人物往来社版とでは、表現も表記法も大きく異なっている。 そこで、巻七以降についても、正確な翻刻を試みるというのが、本研究の主目的である。平成25年度は、二十一巻本『武功夜話』の巻七~巻十一の写本コピーを入手し、現在翻刻作業中である。写本のコピーが不鮮明なこと、また、当て字や、独特の崩し方もあることなどから、時間がかかっているが、なるべく早く、研究資料となりうる本文を作成する予定である。 並行して、ブックショップマイタウンから刊行した巻一から巻六までについて、テキストファイルになっていないため、活字本をOCRソフトによって、テキスト化する作業を行っている。ただし、旧字体漢字や振り仮名、傍注などが多く、OCRの誤読が多いため、作業は難航している。 なお、翻刻作業中に気付いた斉藤道三の娘「濃姫」の呼称について、「帰蝶」よりも「胡蝶」と読むべき文字ではないかという論文を、豊田高専研究紀要第46号に発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
入手した白黒コピーが不鮮明なこと、当て字や、独特の崩し方もあることなどから、翻刻に時間がかかっている。また、『武功夜話』の所蔵者等との折衝、調査・研究が必要であるが、原資料を見せていただく約束をしたものの、遠隔地のため、実現できていない。 巻一から巻六についてのテキスト化作業も、旧字体漢字や振り仮名、傍注などが多く、OCRの誤読が多いため、作業は難航している。
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今後の研究の推進方策 |
翻刻作業は、少しずつ時間を見つけては、倦まず弛まず作業を続けたい。 また、なるべく早急に『武功夜話』の所蔵者等との折衝、原資料の調査・研究を実現する予定である。 巻一から巻六についてのOCRソフトによるテキスト化作業は、旧字体漢字や振り仮名、傍注などが多く、OCRの誤読が多いが、これらのテキスト化作業、索引作り等の作業については、機械的な作業も多いため、作業補助者の利用を検討している。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究補助者を利用する準備ができなかったため、人件費・謝金の支出ができなかった。 また研究成果が印刷に至らなかったため、この費用も繰り越した。 研究補助者の利用については、作業準備が整い次第、補助者を探し、人件費・謝金の支出を行いたい。 研究成果の印刷等、発表方法も検討したい。
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