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2014 年度 実施状況報告書

英国中世・初期近代・近代の文献に現れた占星術概念の歴史的変遷に関する概念史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 25370261
研究機関弘前大学

研究代表者

田中 一隆  弘前大学, 人文学部, 教授 (10227126)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード西欧占星術概念 / 歴史的変遷 / ウィリアム・シェイクスピア / フランシス・ベイコン / サー・トマス・ブラウン / 新しい宇宙観 / astrology / astrolonmy
研究実績の概要

本研究は、西欧占星術概念の歴史的な変遷について、デジタル・データベースを駆使して、実証的に検証しようとする研究である。研究対象とする時代は、中世、初期近代、近代と広範囲に渡り、対象文献も膨大であるが、平成26年度は、昨年度に引き続き、Literature Online等のデータベースからデータのダウンロードを行い、今後の研究のための一次資料の基盤整備を行った。
さらに、一次資料データの基礎的な分析を行い、英国初期近代を代表する作家たちの作品において、占星術概念がどのような変遷の過程を示しているかについて、新しい知見を得た。具体的には、ウィリアム・シェイクスピア(William Shakespeare, 1564-1616)、フランシス・ベイコン(Francis Bacon, 1561-1626)サー・トーマス・ブラウン(Sir Thomas Brown, 1605-1682)の作品に現れる占星術概念(例えば、"planet", "disposition", "astrology", "astronomy"等)がどの程度新しい宇宙観を反映しているかについて分析を行い、シェイクスピアの語彙においては、これらの占星術概念が古い宇宙観に基づいているのに対して、ベイコンの著作においては、これらの概念が新しい宇宙観の枠組みにおいて成立していることを明らかにした。トーマス・ブラウンの場合は、どちらかというとシェイクスピアに近いが、新しい宇宙観に基づく近代的な概念としても解釈できるような使用例が若干見られる。結論として、これらの初期近代を代表する作家たちの作品においては、西欧占星術概念の歴史的な変遷の端緒が確認されることが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

西欧占星術概念の歴史的な変遷を分析するための土台となる一資料を、Literature Online等のデータベースからある程度網羅的にダウンロードできたことと、英国初期近代を代表する作家たちの作品に現れる占星術概念の分析を通して、古い宇宙観から新しい宇宙観への転換の萌芽がこれらの作家たちの作品に見られることを明らかにできたことから、「おおむね順調に進展している」と判断した。

今後の研究の推進方策

今後は、Literature Online以外の多様なデータ・ベースからダウンロードを行い、文学以外の多様な文献からも一次資料の整備を行い、中世、初期近代、近代へとさらに時代を拡張させ、占星術概念もさらに多様なものを対象とすることによって、実証性をさらに向上させるとともに、説得力ある分析方法を試みてゆきたい。

次年度使用額が生じた理由

購入データ・ベースの選定が定まらず、結果としてデータ・ベースの新規購入ができなかった。

次年度使用額の使用計画

複数の新しいデータ・ベース購入と、データのダウンロードのための謝金等に使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 「Shakespeareにおける占星術概念の概念史的意義について」2014

    • 著者名/発表者名
      田中一隆
    • 学会等名
      第69回日本英文学会東北支部大会
    • 発表場所
      弘前大学(青森県弘前市)
    • 年月日
      2014-11-29 – 2014-11-29

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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