研究課題/領域番号 |
25370266
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
馬籠 清子 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (60463816)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 20世紀半ば / カルテット / 世界観 |
研究概要 |
本研究の初年度として、これまでの研究や準備状況の確認を行い、新たに必要となったDoris Lessing関係のリサーチをワシントンDCへの出張等で進めた。収集した資料を読み進めながら、論文執筆や学会発表の準備を進めてきた。 既に出版された論文としては、“Secret Function of a String Quartet in Doris Lessing’s The Golden Notebook,”(Notes on Contemporary Literature「米国・審査付」)がある。また、本研究で扱う5人の作家と作品のうち、重要な出発点となるT. S. EliotのFour Quartetsに関する論文を執筆中である。学会発表については、カナダのバンクーバーで行われるInternational Lawrence Durrell Society Conferenceに2013年11月に提出したプロポーザルが合格しており、2014年5月の発表に向けて準備を進めている。 さらに、本研究に関連した最新作のひとつとして翻訳したマイケル・カニンガムの『日暮れまでに』が2014年1月に岩波書店から出版され、この作品に関する論文“Michael Cunningham’s By Nightfall as a Flexibly Expanding Literary Network”がアメリカで査読審査中である。また、クレア・V・ワトキンスの『バトルボーン』の翻訳も進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績の概要」に書いた通り、海外出張等を通してリサーチを進めている他、査読付き論文の出版も実行しており、査読結果待ちの論文もある。また、特に重要となるEliotの作品に関する論文を執筆中であり、プロポーザルが合格しているDurrellについての学会発表の準備も行っている。さらに、大学・大学院で担当している授業を通して、本研究の基礎となる古代ギリシャ以来の「カルテット」にまつわる世界観・宇宙観の重要性を再確認する機会にも恵まれてきた。
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今後の研究の推進方策 |
まず、Eliotの論文を丁寧に仕上げ、アメリカの査読付き学術誌からの出版に挑戦する。その後、同じ1940年代に「カルテット」という点で重要な作品を発表したThomas Mannの論文に取り掛かる。 学会発表については、Durrell Conferenceでの発表に集中する。前回、この学会での交流を通して、貴重な資料のコピーをいただいたので、今回も十分な準備をして臨む。 Eliot, Mann, Durrel以外の2人の作家、Doris LessingとVladimir Nabokovについても、少しずつ作品の再読を進め、合わせて、資料収集とその分析も進める。
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