研究課題/領域番号 |
25370279
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
山内 功一郎 静岡大学, 人文社会科学部, 准教授 (20313918)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | アメリカ詩 / イタリア詩 / ダンテ |
研究概要 |
今年度の研究実績としては、2013年5月に発行の日本アメリカ文学会東京支部会「アメリカ文学」に掲載された査読付き英語論文 Dismantling the Conceptual Notion of the Book: Michael Palmer’s Paradoxical Relationship with Dante を挙げることができる。これはアメリカの現代詩人マイケル・パーマーを、イタリア文学史のみならず西洋文学史の巨星と目されるダンテ・アリギエーリと比較して論じた論文である。このような論文をアメリカ文学研究誌上に発表できたことは、今後パーマーとイタリアの哲学者ジョルジョ・アガンベンの影響関係を分析する本課題を推進するうえで極めて有益だったと考えている。 その他の研究実績としては、2013年5月に思潮社発行の月刊誌「現代詩手帖」に掲載された、「問いでも答えでもない詩のために」と題する和合亮一論も挙げることができる。言うまでもなく和合氏は現在詩壇の枠組みを超えて精力的な活動を展開している詩人であり、同氏の作品を思想史的な観点から論じた拙文の成果は、本研究課題の方向性を定めるうえでも示唆に富むものとなった。また2013年12月に日本英文学会「英文学研究」に掲載された、「小泉純一著 『アメリカに響くパレスチナの声』(水声社)」の書評も、研究実績の一つとして挙げておくべきだろう。加えて言えば、2014年3月に静岡大学翻訳文化研究会発行の研究誌「翻訳の文化/文化の翻訳」誌上に「マイケル・パーマーの『太陽』より」と題するパーマー作品の拙訳を発表できたことも、極めて有意義だった。作品の訳出を行うために分析を行うプロセスは、本研究課題の成果の中身を充実させるために大いに役立つことが予想される。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究課題の初年度にあたる本年において、パーマーとアガンベンの作品を論じるうえで必要な各種資料収集を行う予定を順調に遂行できたのみならず、実作者や研究者とのやりとりを進める過程で論考の方向性まで定めることができたため。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究課題の二年目にあたる次年度においては、パーマーとアガンベンをめぐる論考を執筆するために必要な、資料整理や構想の見直しを行う。また研究成果を最終年度に可能な限り有効な形で公開できるように、発表形態についても検討を重ねる予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
ほぼ順調に予算は執行されたが、若干の参考資料の入手が次年度にずれこんだため。 参考資料の入手を順調に進めることにより次年度使用額の執行を図る。
|