研究課題/領域番号 |
25370279
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
山内 功一郎 静岡大学, 人文社会科学部, 准教授 (20313918)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | アメリカ詩 / イタリア哲学 / パーマー / アガンベン |
研究実績の概要 |
今年度の研究実績としては、2015年3月にシルフェ英語英米文学会研究誌『シルフェ』第57号に発表した査読付き邦語論文「潜勢力、言語、太陽」を挙げることができる。これはアメリカの現代詩人マイケル・パーマーを、同時代のイタリアの哲学者ジョルジオ・アガンベンと比較して論じた論文である。このような論文を英米文学研究誌上に発表できたことは、パーマーとアガンベンの影響関係を分析する本課題を推進する上で、極めて有益であったと考えられる。 その他の研究業績としては、2015年3月に日本エズラ・パウンド協会研究誌『 Ezra Pound Review』 第17号に発表した査読付き邦訳「詩篇 第6篇」も挙げることができる。言うまでもなくパウンドはパーマーと関係の深い先行世代のアメリカ詩人なので、この詩人による作品を本邦初訳の形で紹介できたことは、極めて意義深かった。また直接的に本課題と関連する成果としては、翻訳文化研究会研究誌『翻訳の文化・文化の翻訳』第10号別冊(2015年3月発行)に掲載された邦語論文「『誰でもないもの』の声が生じるとき」も挙げておくべきだろう。これはパーマーとフランズ在住のアメリカ人の画家アーヴィング・ペトリンの共作を分析した論文であり、本課題の主要成果の一つに数えられる。さらに2014年11月に公益信託福原記念英米文学研究助成基金に応募した結果、2015年2月に採択され、出版助成資金100万円を助成されたことについても付言しておきたい。この助成を生かし、パーマー研究を著作の形でまとめる計画を、現在着々と進行させている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
パーマーの詩作品とアガンベンの哲学の共鳴的な影響関係をめぐる拙論「潜勢力、言語、太陽」は、本課題の中核を占める達成の一つに数えられる。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の最終年度にあたる次年度においては、パーマーとアガンベンをめぐる論考をさらに充実させるために必要な、資料整理や構想の見直しを行う。また研究成果を可能な限り有効な形で公開できるように、発表形態についても見当と準備を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
ほぼ順調に予算は執行されたが、若干の参考資料の入手が次年度にずれこんだため。
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次年度使用額の使用計画 |
参考資料の入手を順調に進めることにより、次年度使用額の執行を図る。
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