研究課題/領域番号 |
25370281
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
江口 誠 佐賀大学, 全学教育機構, 准教授 (50332060)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | チャップブック / ロマン主義 / 英米文学 / William Hone / イギリス文化研究 |
研究実績の概要 |
平成26年度は、William Hone以外の政治パンフレットに対象を広げ、児童書籍との関連性を探ることを大きな目標とした。しかしながら、19世紀初頭に発行されたパンフレットも数多くあるため、まずはHoneに対抗して出版されたパロディ版に焦点を絞り、共通するイメージや表象方法の有無を調査することに専念した。 さらには、イギリス文化という大局的な観点から、当時の体制(政府側)あるいは反体制(一般市民側)という二項対立の構図の中で、18世紀以降に子供たちの間で人気を博した伝統的なチャップブックが果たした役割という点についても、その解明を試みることにした。。 具体的な資料収集については、まず昨年度に引き続きイギリスのBritish Libraryに赴き、関係資料の閲覧を行った。そこでは、18世紀末から19世紀初頭にイギリスで出版されたチャップブック関連の書籍、例えばHannah MoreのVillage Politics、1795年に出版されたCheap Repository Tracts、1817年に出版されたVagabondianaなどを閲覧することができた。それに加えて、Nursery Rhymesの辞書やチャップブックに関係する研究書を購入した。 しかしながら、その具体的な研究成果については、出版のスケジュールの関係から、平成26年度内の実績としてはこの報告書に記載することが出来なかった。因みにその研究成果は平成27年度中に他の研究者との共同執筆という形式で書籍として出版することになっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
資料収集については概ね順調に推移している。しかしながら、前年度の報告と同じく、研究目的の一つである「文化的な視座から19世紀初頭イギリスにおける民間伝承とジャーナリズムとの関係を探る」という点については、未だ十分に達成できてはいないからである。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は、前年度に引き続きチャップブック関連の資料収集を継続して行うとともに、最終年度であるため、研究成果を発表し、研究の総括を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品費及び旅費については概ね予定額に近いものとなったが、その他及び謝金について該当する出費がなく、繰越金が生じたと思われる。
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次年度使用額の使用計画 |
資料収集及び学会発表のための旅費、さらには資料収集の物品費に充てる。
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