研究課題/領域番号 |
25370290
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研究機関 | 都留文科大学 |
研究代表者 |
中地 幸 都留文科大学, 文学部, 教授 (50247087)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | アフリカ系アメリカ文学 / 東洋趣味 / ジャポニスム / シノワズリー / 英語俳句 / 人種 / エスニシティ / 奴隷貿易 |
研究実績の概要 |
7月にヨネ・ノグチ学会にて、野口米次郎の英語俳句Hokkusとその俳句論の考察を発表した。また8月に世田谷美術館で開かれたジャポニスム学会にて「アメリカのジャポニスム演劇・文学とその背景」というタイトルで、アメリカにおけるジャポニスムについて発表。この中でアフリカ系アメリカ人と日本との関係も論じた。この発表は3月に論文として『ジャポニスム研究別冊』34号におさめられた。10月にはミシシッピーの黒人州立大学であるミシシッピー・ヴァレー州立大学にて”Japanese Haiku as a Multicultural and Multinational Form”という演題の講演を行った。1月には、ハワイ人文学国際学会にて、八島太郎について発表した。さらに3月に上智大学にて行われたワークショップでは“Japanese Can Make Some Contribution to English Poetry”: Yone Noguchi’s Idea of Haiku and Its Translation”というタイトルで発表を行った。3月に出版された『都留文科大学大学院紀要』19号に「アジア系グラフィック・ノベルに描かれるエスニシティの問題 : 『アメリカ生まれの中国人』、『同じ違い』、『スキム』を読む」を発表し、アメリカにおける「アジア」の問題について考察した。 調査としては本年度は、ヨーロッパにおけるジャポニスムおよびシノワズリーについて調べるためにミュンヘンとウィ―ンの美術館における調査を行った。またシカゴを訪問し、ネラ・ラーセンとシカゴ・ブラック・ルネッサンス、およびフランク・ロイド・ライトついての調査を行った
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り、欧州におけるジャポニスム・シノワズリーの調査が進んでいる。また俳句とアフリカ系アメリカ文学とのコネクションを探るために、まずは、アメリカにおける俳句受容の問題を調べているが、その研究も野口米次郎を中心として進めることができた。奴隷貿易との関係は次年度以降さらに深めていくことができるので、現段階としては順調な進展といえる。
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今後の研究の推進方策 |
奴隷貿易と東洋趣味の接点を探るために東インド会社について調査を進めるために、シノワズリーやジャポニスムのなかにどの程度東南アジアへの眼差しが入り込んでいるのか調査したいと思っている。アフリカ系アメリカ文学の「東洋趣味」というのは、欲望の眼差しの対象としての地域が非常に入り組んでいるので、その点を解明していきたい。また俳句理論の構築についてはある程度の調査が進んだので、1920年代のハーレムルネッサンスにおける俳句の受容、また1960年代のビート詩人だちとの交流などについて調査していきたい。
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