研究課題/領域番号 |
25370290
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研究機関 | 都留文科大学 |
研究代表者 |
中地 幸 都留文科大学, 文学部, 教授 (50247087)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | アフリカ系アメリカ文学 / 東洋趣味 / ジャポニスム / シノワズリー / 英語俳句 / 人種差別 / エス二シティ / 奴隷貿易 |
研究実績の概要 |
5月に台湾の中国文化大学にて行われた Hwa Kang International Conference on English Language & Literatureにて、Richard Wright's "Strange Fruit": His Haiku and Blues を講演、5月30日成蹊大学で行われた国際シンポジウム Japan in the Eyes of Othersにて “Madame Butterfly as Japanese Lolita:Japanese Women in the Western Imagination and the Formation of“Kawaii”Culture in Modern Japan”を発表、また10月に行われた日本比較文学会東京大会にて、「八島太郎のグラフィック・ノベルにおけるトラウマ経験の再構築」を発表、さらに1月にアメリカテキサス州オースチンで開催されたMLA大会で”Yone Noguchi’s Haiku Poetics and Isamu Noguchi’s Sculpture”を発表した。論文としてはミシシッピー大学出版から刊行されたAfrican American Haiku:Cultural Visionsに”Richard Wright’s Haiku, or the Poetry of Double Voice”を寄稿、これは2016年1月に出版された。また2016年3月に出版された『黒人研究』にネラ・ラーセンの『流砂』におけるコペンハーゲンー大西洋奴隷貿易と北欧オリエンタリズムの視点から」に発表した。これはデンマークでの調査を大きく反映した成果である。本年度は調査として、ドイツのジャポニスムとシノワズリーを調査したほか、8月にはシカゴとオハイオを訪問し、資料調査を行い、また1月にはハワイでの調査も行い、2月にカナダのヴィクトリア、そして3月にオハイオとニューヨークにおいて再度資料調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年はこれまで欧州での調査の結果の一つとして、ネラ・ラーセンに焦点を絞って、大西洋奴隷貿易と北欧オリエンタリズムの関係についての論文を仕上げることができた。また野口米次郎や英語俳句についての研究においても芸術との関係において視野を広げることができ、20世紀初頭の東洋趣味の問題についての調査を広げることができた。
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今後の研究の推進方策 |
奴隷貿易と東洋趣味の接点としての東インド会社の存在の大きさが見えてきたと同時にオリエンタリズムとは西洋においても一様ではないことが北欧オリエンタリズムの調査で分かってきた点を生かし、さらに複雑な「東洋趣味」と「人種」との問題に切り込んでいくつもりである。現在はこれまでの著作を本の形式になんとかまとめようとしているところである。
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