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2013 年度 実施状況報告書

近代初期英国バンケット・トレンチャーのアーカイブ化とその文化的背景の総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 25370327
研究種目

基盤研究(C)

研究機関天理大学

研究代表者

山本 真司  天理大学, 国際学部, 准教授 (80434976)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードバンケット・トレンチャー / 『ヴェニスの商人』 / 「運命の女神」表象 / エンブレム / オランダ
研究概要

近代初期英国においてバンケット・トレンチャー(デザート用装飾木皿)が持つ社会的文化的意味や役割を包括的に調査・研究し、英国ルネサンスの宴会様式への理解を更に深めるため、資料のデジタルアーカイブを構築する準備を行った。
初年度の主な作業としては、まず、バンケット・トレンチャーに関する所蔵調査や関連する基礎文献の収集、リサーチを行い、英国における近代初期のバンケット・トレンチャーの図像資料や関連一次資料のデータ収集を実施した。
当時の英国における図版印刷文化に多大な影響を与えたオランダの印刷文化を調査するために、アムステルダムやアントワープ、そしてライデンの博物館などで研究資料調査を行った。
英国ではマイケル・バース等の当該分野の専門家達と連絡を取って打ち合わせをし、バンケット・トレンチャー図像アーカイブの構築・分類を行うための助言を得、大英図書館やグラスゴー大図書館などを拠点にして関連の図像資料等のコーパスを構築するための準備を進めた。
また、バンケット・トレンチャーと同じ文化的基層を共有するエンブレム的伝統がシェイクスピアのような一般的な演劇においてどのように発現しているかを検証するため、『ヴェニスの商人』における“fortune”と“lottery”という言葉の劇的効果をめぐり、エンブレム文学の伝統だけでなく、イタリア商人の代表的運命観やギャンブル観など当時の社会的背景を視野に入れながら、これらの概念がどのようにヴェニスという法の支配に基づく共和制国家を舞台とする芝居の複層的意味形成に貢献しているかを考察した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまでの研究達成度については、基礎的な研究資料や文献の調査に当初予測したよりも時間がかかっているため次年度に回さなくてはならない調査項目がいくつか残っているが、今年度も引き続き目的とする研究調査を進めると同時にその成果を複数の研究論文の形で発表する予定である。

今後の研究の推進方策

今後の主な作業としては、前年度に引き続き、まず、バンケット・トレンチャーに関する所蔵調査や関連する基礎文献の収集、リサーチを行う。その後、英国だけでなく米国における近代初期のバンケット・トレンチャーの図像資料や関連一次資料のデータ収集を実施する。それぞれの国の博物館などで資料を収集しコーパスを構築し、デジタル化する。英国ではバースやジョーンズ、米国ではケイトンと情報交換し、バンケット・トレンチャー図像アーカイブの構築・分類を行う。また研究成果を学会、研究会にて順次発表し、複数の論文にまとめる。

次年度の研究費の使用計画

初年度は主にオランダと英国を中心に研究資料調査を実施したが、予定より欧州の現地調査に時間がかかったため、米国における実地調査を実施できなかった。
次年度使用額は、引き続き英国・及び米国での現地調査、特に米国西海岸の美術館・博物館における研究資料調査に充当する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] “Your fortune stood upon the caskets there” (3.2.201) :『ヴェニスの商人』における“fortune”と“lottery”のエンブレム的政治学

    • 著者名/発表者名
      山本 真司
    • 学会等名
      シェイクスピア学会
    • 発表場所
      鹿児島大学

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公開日: 2015-05-28  

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