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2013 年度 実施状況報告書

奴隷解放以前のアメリカ黒人文学へのイギリス社会運動の影響

研究課題

研究課題/領域番号 25370332
研究種目

基盤研究(C)

研究機関名古屋経済大学短期大学部

研究代表者

進藤 鈴子  名古屋経済大学短期大学部, その他部局等, 教授 (80461911)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードアメリカ奴隷制度 / 奴隷文学
研究概要

本研究の学術的な特色は、文学研究を社会的、歴史的側面から、かつ、大西洋の両岸からの視点で捉えようとしていることである。奴隷解放以前のアメリカ黒人文学がどのようにして大西洋両岸、すなわち、アメリカ合衆国と、主としてその宗主国であるイギリスの社会運動を結びつけ、アメリカ社会にどのような影響を与えていったかを検証するのが本研究の目的である。本年度は、奴隷制時代の黒人文学として唯一国際的な視野で描かれたBlake: or The Huts of Americaを再度考察した。その結果を「マーティン・ディレイニーの脱アメリカ─『ブレイク』における奴隷革命」と題して『アメリカ・ルネサンス----批評の新生』(開文社2013年10月所収)に上梓した。作者マーティン・R・ディレイニーは、作家としては唯一この作品を残したが、アメリカの自由黒人のための移住地を探索し、大規模な移住計画を発表しようとしていた黒人としては極めて稀な社会運動家であった。彼自身、南北戦争直前に西アフリカを探検して移住地の購買を画策している。その帰途、イギリスに立ち寄り、奴隷解放協会の後援を得て、各地で奴隷解放と移住先についての講演を行っている。
次に、奴隷体験記ウィリアム・ウェルズ・ブラウンの『クローテル』、及びクラフト夫妻の『自由への1000マイル』を精読し、その成立過程を検証した。この三人はともにイギリスに逃亡し、ロンドンで出版している。イギリスの奴隷廃止運動の中心には貴族たちが社会改革の一環として運動を推進しており、元植民地のアメリカ合衆国に大きな影響を与えていた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

平成25年度夏頃より体調を崩し、後期には病気の治療・療養に専念していたため、前期に論文を仕上げるのが精一杯であった。また、外国への資料収集の予定は、体力的に実行不可能であったため、すでに手元に取り寄せてあった文献、研究資料を読みこむのみであった。

今後の研究の推進方策

昨年度に予定していた研究の大半が進んでいないため、昨年の予定を今年度に実行したいと思っている。また、海外出張が体調の関係で不可能な場合は、使用用途を変更する可能性もある。また、場合により、科研費の執行を1年延長する手続きをすることになるかもしれない。いずれにせよ、今年度精いっぱい研究を進める予定である。

次年度の研究費の使用計画

昨年度夏以降、病気のため治療・療養に専念していたため、特に、夏の海外での資料収集に出かけることができなかった。3月に出張をと最後まで考えていたが、最終的に体調が戻らず、出張費の大半と予定していた研究に必要な物品などの購入執行をすることができなかった。
具体的には、昨年度の出張予定場所へは今年度の夏に、今年度予定していた出張場所へは、来年度に出かける予定である。また、場合によっては科研費の1年間の延長を要請することも考えている。今年度は、資料収集に努め、より多くの文献を読みこなしたいと考えている。イギリスの社会運動について、今年度は知識を深めたいと思っている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 図書 (1件)

  • [図書] アメリカ・ルネサンスーー批評の新生2013

    • 著者名/発表者名
      進藤鈴子 他
    • 総ページ数
      446
    • 出版者
      開文社

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公開日: 2015-05-28  

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