研究課題/領域番号 |
25370344
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
尾方 一郎 一橋大学, 言語社会研究科, 教授 (80242080)
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研究分担者 |
古澤 ゆう子 一橋大学, 名誉教授 (00173534)
三瓶 裕文 一橋大学, 法学研究科, 教授 (40127402)
藤野 寛 一橋大学, 言語社会研究科, 教授 (50295440)
久保 哲司 一橋大学, 社会学研究科, 教授 (90170026)
清水 朗 一橋大学, 法学研究科, 教授 (30235642)
武村 知子 一橋大学, 言語社会研究科, 教授 (60323896)
小岩 信治 一橋大学, 言語社会研究科, 准教授 (90387522)
DEGEN Ralph 一橋大学, 大学教育研究開発センター, 准教授 (20387591)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ヨーロッパ / 未来選択 / 価値 / 倫理 |
研究実績の概要 |
平成26年度の研究実施計画に基づき、代表者・各分担者が25年度に引き続いて資料収集と分析を行ない、ドイツ語圏を中心としながら哲学・思想・近現代文学・批評・芸術ならびに言語学の諸分野において、ヨーロッパの文学・思想における未来選択の位相の解明という目的に沿って研究を進めた。 まず6月に26年度第1回の会合が開かれ、25年度尾方・武村両名を中心として企画した言語社会研究科紀要の特集でも検討された「価値評価」の問題を踏まえて、各自がそれぞれの分野の事例に基づいて未来選択の諸相について具体的研究を進めることが確認された。7月にはメンバー間会合の他に、ドイツ語教育をテーマに本学非常勤講師の事例報告を含めた会合を開き、教育法の未来展望について活発な議論が行われた。また11月にもメンバーによる会合を行ったあと、12月には名古屋市の宗次ホールオーナー((株)壱番屋特別顧問)宗次徳二氏をお招きして、クラシックホール運営の未来についての講演、27年2月には山室信高氏(一橋大学非常勤講師・現東洋大学専任講師)によるエルンスト・ブロッホの未来概念についての発表を中心とした研究会を行ない、共に院生等も多数参加して大いに裨益するところがあった。 以上のようなプロセスを経て、平成26年度には例えば次のような主題に関する成果が発表された。プラトンにおける詩的正義の可能性とその観点から見たホメロス叙事詩(古澤ゆう子)、キルケゴールにおける新たな経験としての「反復」という逆説(藤野寛)、美学と倫理学の間に立つものとしてのキルケゴール哲学(藤野寛)、ショパンのピアノ協奏曲「室内楽版」の録音史(小岩信治)、ドイツ語における視点と自由間接話法の機能の問題(三瓶裕文)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績の概要」でも触れたが、平成25年度の基礎的研究を踏まえて、代表者・各分担者が25年度に引き続いて資料収集と分析を着実に進めた。また26年度はメンバー間で4月、7月、11月に会合を開いただけでなく、外部も含めた研究会を7月に教育のテーマで、12月に音楽と社会というテーマで、27年2月には20世紀思想のテーマでそれぞれ開催することができた。こうしたプロセスを経て、文学、思想、音楽、言語学などのそれぞれの分野ごとに、具体的な事例に関して研究を進め、また公表していくことが出来たと考える。
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今後の研究の推進方策 |
平成25・26年度から継続して一層の資料収集と検討を進めながら、それらに基いて各担当分野を分担して研究を行ない、定期的に研究会を行って成果の報告と相互の議論を行う。 これにあたっては、これまでに諸分野における具体的な事例に関する諸研究に基づき、これまでヨーロッパを中心とする文化においていかに未来を展望・選択・志向してきたかを伝統継承との関連を顧慮して追究するという本課題の大きな問いに、統合的な視野から答えていくべく、メンバー間で連携をとりつつ本年度の研究を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
複数の研究者から、平成27年度に旅費・招聘費用や機器購入にあてたいという希望があったため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額については、平成27年度助成金とあわせて、旅費・招聘費用や機器購入にあてる予定である。
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