研究概要 |
申請課題「<暴力>に抗する文学と思想」との関わりにおいて、とりわけカミュの小説『ペスト』をフクシマからとらえ返す作業を行い、人間と不条理の闘いに焦点を当てた。 (1)6月、Philippe Vanney との共編により、『カミュ研究 Etudes camusiennes』第11号(カミュ生誕100年記念号)を編集・発行した。また同号に伊藤直との共著により「日本におけるカミュ受容」(日本語およびフランス語)を発表した。(2)7月、世界の第一線のカミュ研究者が寄稿する "Cahier Herne, Albert Camus"に論文 "La Peste, La Force de l'Alegorie" を発表した。(3) 8月、科研費によりフランスへ出張し、8月17日‐24日、フランスのスリジー・ラサルで開催されたカミュ国際学会において、シンポジウム "Camus et le Japon, le Japon et Camus" のパネラーとして発表を行うとともに,世界各国から集った60名のカミュ研究者との情報交換を行った。さらに25日-27日、クレルモン=フェランにおいて,第二次大戦中のカミュの活動に関しての現地調査を行った。(4)11月1日-4日、アルジェリアのオランにおいて、1940-1941年時代のカミュに関しての現地調査を行うとともに、モスタガネム大学において "La Peste apres Fukushima " と題した講演を行った。(5)6月国際基督教大学、12月キャンパスプラザ京都において、日本カミュ研究会代表として2回の研究会を主催するとともに、参加者との情報交換を行った。
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