研究課題/領域番号 |
25370359
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
平手 友彦 広島大学, 総合科学研究科, 教授 (10314709)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | インキュナブラ / 書誌 / パリ / データベース / パラテクスト |
研究実績の概要 |
昨年度に引き続きパリの五人の出版書籍商(Anthoine Verard、Michel Le Noir、Jean Trepperel、Geoffroy de Marnef、Alain Lotrian)が出版した活字本の特定した。British LibraryのISTC、パリ国立図書館のGallicaやBP16、Gesamtkatalog der Wiegendruckeから、パリ国立図書館所蔵のPellechet、Catalogue general des incunables des bibliotheques publiques de Franceなどの各種カタログを使用して、今年度は特にMichel Le Noir のインキュナブラとAlain Lotrianの16世紀刊本を集中して調査した。その結果は、出版書籍商名、作品名、刊行年、作者、作者の表象等の項目にまとめ、データベースの作成作業を続けた。また、2014年9月22日から27日にはフランス共和国オワーズ県のシャンティ城コンデ美術館とパリ国立図書館で資料調査を行い、同時に接写カメラによる活字本パラテクストの撮影を行い、これらの図像資料も整理してデータベースの中に組み込む作業を続けた。収集した資料の具体的な分析成果としては、研究対象となる出版書籍商Alain Lotrianが1530年頃に出版した活字本『糸紡ぎの福音書』のテクスト分析を行って、「『糸紡ぎの福音書』のテクストと語り - 結び付けられる物語、あるいはヌーベルに向かって -」の論文として発表し、15世紀後半の「物語り」の発生とそれに伴うテクストの変化の問題を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
五人の出版書籍商のデータベースの作成が完了していないため、パラテクストの比較分析作業が充分に進んでいない。
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今後の研究の推進方策 |
パラテクストの比較分析作業を全般的に行うことができるようにデータベース作成をいち早く完了させる。
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次年度使用額が生じた理由 |
中世及びルネサンスに関する文献(物品費)の購入が版元の都合等で年度内の入荷に間に合わなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
当該の文献購入は次年度に執行予定。
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