本研究は、前半には前回の科研費研究を継承しつつ、20世紀前半のロシア哲学の中心人物たちの哲学思想の全体像を解明する作業を行い、後半には第一次世界大戦期における彼らの「世界戦争の思想」を、彼らの哲学思想と関連付けながら解明する作業を行った。 前者に関しては、今回の研究では、セミョーン・フランクの哲学をベルクソンとフッサールのとの関連で、またセルゲイ・ブルガーコフの哲学をマルクス主義との関連で検討し、それぞれ論文を執筆した。また後者に関しては、彼らを含めたロシア哲学者たちの第一次大戦期の思想を検討し、とりわけ前回の科研費研究で扱ったベルジャーエフの世界戦争論を中心に、現在論文の執筆を行っている。
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