研究課題
さまざまな対象を、文化学と東アジア・ヨーロッパ比較文化史との観点から分析、以下の成果を得た。 1.「文学」の比較文化史(口頭発表"Vergleich alter Schriftkulturen fuer eine Geschichte der Weltliteratur"。ドイツ文学の例も挙げながら、世界文学史の見取り図を提示。) 2.「文字による記憶」の比較文化史(縄田雄二編、磯崎康太郎・安川晴基・縄田雄二訳『詩と記憶――ドゥルス・グリューンバイン詩文集』を刊行。私の序文では東アジアとヨーロッパの記憶文化を比較。) 3.「音」の比較文化史(口頭発表「音響学史から見たヘルダーリンのピンダロス断篇"Vom Delphin"」。ヘルダーリンの断篇をヨーロッパの音響学史のなかに置き分析、東アジアの例と比較。) 4.「映像」の比較文化史(ゲーテ『ファウスト』を映像文化史のなかに置き、東アジアの例と較べた研究を口頭で発表する機会を、2015年度に続き、得た。)5.「服飾」「コンピューター」の比較文化史(ハイデガーの技術哲学、コンピューター史、比較服飾文化史の観点から論じた論文"Issey Miyake's 'A-POC' from the Perspective of the Philosophy of Technology"を公表。)以上の個別研究から、文化学から観た世界文化史の概要が浮かび上がった。シュトゥットガルト歌劇場は、細川俊夫作曲、マルセル・バイアー台本で、クライストの小説「チリの地震」を下敷きにした新作オペラを制作中である。2015年度のバイアー研究の続きとして、クライストの原作、バイアー氏の台本を細川氏と読む読書会を、Goethe-Institut Tokyoの支援下に十回ほどにわたり開いた。中央大学大学院学生、高次裕、山崎裕太、中山陽介の諸君の参加・協力も得た。
2: おおむね順調に進展している
口頭発表や出版によって研究成果を示し得ている。
口頭発表をおこなったものの印刷に至っていない成果の印刷を目指す。
計画したほど物品を購入せずとも研究が進んだため。
「今後の推進方策」欄に記した目的などに用いる。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (1件) (うち謝辞記載あり 1件) 学会発表 (5件) 図書 (1件)
Journal of the Faculty of Letters, Chuo University (Tokyo, Japan)
巻: 265 ページ: 1-23