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2014 年度 実施状況報告書

ポストドラマ演劇における上演と戯曲の相互照応関係の研究

研究課題

研究課題/領域番号 25370373
研究機関中央大学

研究代表者

高橋 慎也  中央大学, 文学部, 教授 (60171493)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードポストドラマ演劇(ドイツ) / パフォーマンス性(ドイツ) / 演劇上演史(ドイツ)
研究実績の概要

平成26年度は、申請計画に基づき下記のような研究を遂行した。
〇上演・戯曲データベースの作成と分類:ドイツ語圏の代表的な演劇祭である「ベルリン演劇祭(Berliner Theatertreffen)」の招待演目をデータベース化し、その中でポストドラマ演劇の占める割合を数値化した。その結果、その割合が1990年代から飛躍的に高まっていることが確認できた。この分析結果は紀要論文として発表した。
〇ドイツ人研究者との共同研究・現地調査:ポストドラマ研究の著名な研究者である、ライプツッヒ大学演劇研究所のギュンター・ヘーグ教授を招いたワークショップを中央大学で開催し、演劇における歴史記述のポストドラマ化に関する意見交換を行った。ミュンヘン大学演劇研究所のバーム教授、バイヤーデルファー名誉教授、エングルハルト講師、カイム講師と「ポストドラマ演劇における戯曲の機能」というテーマで共同研究を行う打ち合わせを行い、同意に至った。またミュンヘン大学演劇研究所、ミュンヘン州立劇場、ミュンヘン室内劇場における資料調査・収集を行った。また同研究所所蔵の演劇上演録画DVDの一部を、特別の許可を得て複製することができた。
〇上演と戯曲の分析・先行理論の検証:ポストドラマ演劇の代表的演出者であるポレシュ、シンメルプフェニッヒらの上演分析を、ポストドラマ演劇における「沈黙性」の視点から行い、その「パフォーマンス性」の特徴を明らかにした。また先行理論としてバーム教授の「統合的演劇研究」の理論を集中的に分析した。
〇教材と教授法の開発:上演ビデオを分割するソフトウェアを使用し、効率的な教材開発を行い、実際の授業で試用した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

データベースの作成とデータ分析、ドイツ人研究者とのワークショップ、現地調査、個別の上演分析は計画に沿ってに進展している。ポストドラマ演劇における沈黙性の分析に関しては、研究計画作成の時点では想定していかなった新たな理論書を参照する必要性が生じ、その分析がやや遅れている。

今後の研究の推進方策

1)成26年度は申請計画に沿って下記のような研究・調査を実施する予定である。
〇上演・戯曲データベースの作成と分類:日本とドイツの演劇交流に関するデータベースの作成、代表的上演に関する批評記事に関するデータベースを、補助員を雇用して作成する。〇ドイツ人研究者との共同研究:ミュンヘン大学演劇研究所の研究者と、ポストドラマ演劇と戯曲の相互関係に関する共同研究を実施する。〇現地調査と資料収集:ミュンヘン大学演劇研究所の演劇アーカイヴの資料を主に調査する。〇上演と戯曲の分析:ポストドラマ演劇の代表的な舞台について「沈黙性」の観点からの上演分析を主に行う。
〇教材と教授法の開発:昨年度に引き続き本年度も、ドイツの大学・劇場で収集した資料を基にポストドラマ演劇関連教材と教授法を開発する。

次年度使用額が生じた理由

人件費の使用額が予定より低かったため

次年度使用額の使用計画

人件費あるいは調査旅費に充てる

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 現代ドイツにおける『ハムレット』受容とポストドラマ演劇 : 『ハムレット』上演データ分析による受容動向2015

    • 著者名/発表者名
      高橋慎也
    • 雑誌名

      中央大学文学部紀要

      巻: 255 ページ: 99-121

  • [雑誌論文] 近年のドイツ演劇上演データ分析 : ドラマ演劇からポストドラマ演劇への転換2015

    • 著者名/発表者名
      高橋慎也
    • 雑誌名

      ドイツ文化

      巻: 70 ページ: 中央大学文学部紀要

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公開日: 2016-05-27  

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