演劇データベース分析の結果、戦後ドイツ演劇がドラマ演劇中心の時代、ポストドラマ演劇中心の時代、2000年代以降の新ドラマ演劇の時代と3段階に分けることができることが実証的に明示できた。この間に演劇テキストと舞台上演はテクスト性重視、パフォーマンス性重視、テクスト性とパフォーマンス性の相乗作用の重視へと変遷した。ミュンヘン大学演劇研究所との共同作業によって、2000年代以降、ドイツ演劇において「物語」への回帰が進行したことが明らかになった。また日本演劇とヨーロッパ演劇を比較研究する際に、上演における「沈黙のパフォーマンス性」や「依り代としての身体」という観点が有効であることも明らかになった。
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