M・ダリュセック『警察調書~剽窃と世界文学』(藤原書店)を訳出し、古今の剽窃の告発例を通して文学の本質を考察し、国・言語・宗教の越境により他者性を生きることを強いられたユダヤ人(ツェラン、キッシュ、マンデリシュタームら)の例を見て「詩人はすべてユダヤ人」というテーゼ(ツヴェターエワ)を得た。このテーゼをめぐり、沼野恭子(ロシア文学)・真島一郎(アフリカ地誌学)・大辻都(カリブ文学)・温又柔(台湾籍の日本語作家)各氏とシンポジウムで議論した。 東欧出身のユダヤ人で仏語・英語作家ロマン・ガリについて、縁の地(ヴィリニュス・ワルシャワ・ニース等)の現地調査を行い、評伝と作品の翻訳を刊行予定である。
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