マルセル・プルーストの小説『失われた時を求めて』の第六巻『消え去ったアルベルチーヌ』は未完で、作者の死後、出版された。現在、清書原稿、タイプ原稿I,タイプ原稿IIが残っている。1925年に出版された初版は、編集者が介入した痕跡がある。N・モーリアックが1987年に出版した短縮版のタイプ原稿は、プルーストが死ぬ一ヶ月前に行った「アルベルチーヌと忘却」に関する部分を組織的に削除したもので、筆者は、元は、雑誌「レ・ズーヴル・りィーブル」に向けた抜粋であると仮説をたてている。 第六巻の最大のテーマである「忘却」を無視した編集には問題がある。ただし完璧な編集は不可のであることも事実である。
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