まずはシュルレアリスムをポスト・コロニアリズムの視点から見直す試みに取り組み、今回は、画家アンドレ・マッソンがマルチニックやアメリカの自然、さらにはアメリカ先住民から受けた影響について調べ、論文にまとめた。また、ミシェル・レリス独特の「驚異」の概念の重要性を再確認し、「異化」に通じつつも、安易なエグゾティシズムと一線を画し、日常生活のなかにも見出せるその「驚異」のあり方を明らかにした。 肉眼による知覚に対する異化作用をもたらす映像にも注目し、シュルレアリスムとの関係で3人 の日本の写真家について論じるとともに、映画の分野ではヌーヴェル・ヴァーグについての調査研究をおこなった。
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