研究課題
本共同研究においては、新約聖書の解釈の諸手法を再検討して提案することに特化したが、その場合とくに読者に対する地平への意識を強く掲げた。各研究者はその専門とする批評学における手法が、どのように読者と関わるかを分析しつつ、読者に対してより開かれた批評方法、読者を積極的に介入させる批評方法の可能性を追求した。〈研究成果〉1. 3年間の研究過程で、代表者、分担者、協力者がそれぞれ専門とする解釈方法を用いて、註解書を書き始めたが、そのダイジェスト版を随時ウェブサイトにて更新し、広く一般に公開した。2. 代表者と分担者による3年間の研究会の成果を、『新約聖書解釈の手引き』(日本キリスト教出版社)として2016年2月に刊行した。この執筆にあたっては、研究会に招いた講演者と、もう1人の協力者にも執筆を依頼し、より多様性の高い新約聖書批評学をおおやけに提供することができた。3. 『新約聖書解釈の手引き』の発刊に合わせて、新約聖書解釈に関するシンポジウム:「新約聖書の読み方」を東京都新宿区の日本聖書神学校において開催し、100名以上の参加者を得た。このシンポジウムでは、著書の内容にしたがいつつ、とくに新たな批評手法の解説を行うこととともに、執筆が予定されている新たな註解書シリーズの解釈上の特徴を説明する機会となった。なおこの模様は、『キリスト新聞』、『クリスチャン新聞』、『クリスチャン・トゥデイ』に大きく取り上げられて広く周知された結果、発刊から1ヶ月で著書の重版が決定され、より多い読者への公表が可能となった。4. もう1つの成果として予定されていた各註解書の出版に関しては、そのうちの3巻(ルカ福音書、ガラテヤ書、ヨハネ書簡)が2017年度に刊行予定である。
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新約学研究
巻: 44 ページ: 印刷中
Journal for the Study of the New Testament
巻: 39 (2) ページ: 印刷中
伝道と神学
巻: 6 ページ: 121-136
巻: 43 ページ: 41-54
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