研究課題/領域番号 |
25370398
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
中野 知洋 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (70372638)
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研究分担者 |
高橋 俊 高知大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (10380297)
中野 徹 近畿大学, 文芸学部, 講師 (20610512)
齊藤 大紀 富山大学, 人文学部, 教授 (70361938)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 重慶 / 王平陵 / 都市文学 / 湘西 |
研究実績の概要 |
平成26年11月3日より11月9日まで、高橋俊と中野知洋が重慶への現地調査を行った。重慶市北碚地区の梁実秋紀念館(雅舎)、四世同堂紀念館(老舎旧居)、湖広会館を再訪したほか、重慶図書館、重慶市档案館での民国時期重慶の公文書等を調査した。また中野知洋は、平成27年3月13日より3月19日まで上海図書館及び南京の中国第二歴史档案館において、王平陵の著書の刊行状況を調査した。同館所蔵の档案資料により、王が国民図書出版社という中国国民党系の出版社からの助成を受けて『晩風夕陽裏』等という著書を刊行していたことが明らかになった。 研究成果を持ち寄ったメンバーによる例会を2度設けた。6月21日に近畿大学において青島科研と共催の形で、また12月6日から7日にかけて中国モダニズム研究会との共催により実施し、重慶及び青島研究の諸問題につき討議を重ねた。 主な研究成果として、重慶で活動した作家・王平陵の事跡について考察した中野知洋「王平陵「セン渦」について」(中国文芸研究会2015年1月例会での口頭発表、未公刊)のほか、高橋が深センを取り上げて都市における文学の発生という側面についての研究成果を発表した。また中野徹に抗日戦争という視点から「作られる自他像」という口頭発表がある。またそれぞれの研究の蓄積が各メンバーの分担執筆で中国モダニズム研究会より刊行された『中国現代文化14講』という大学用テキストにも活かされている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度も口頭発表が中心となったが、年に2度の研究例会は実施できており、各研究分担者が最終年度に向けて着実に研究を継続することができるものと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は最終年度となるが、これまで通り年2回の研究例会を計画している。重慶及びそれに隣接する、作家沈従文の故地のある湘西に調査旅行を実施する。これまで調査した成果を論文にまとめて公刊する。
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次年度使用額が生じた理由 |
校務等の事情により中野徹が現地調査に参加できなかったことによる。
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次年度使用額の使用計画 |
上記の事由を補うべく適正な執行に努めており、また金額も5万円以内であることから、最終年度には解消される。
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