研究課題/領域番号 |
25370398
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
中野 知洋 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (70372638)
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研究分担者 |
高橋 俊 高知大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (10380297)
中野 徹 近畿大学, 文芸学部, 講師 (20610512)
齊藤 大紀 富山大学, 人文学部, 教授 (70361938)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 重慶 / 湘西 / 沈従文 |
研究実績の概要 |
2015年度は、基盤研究C「文化都市・青島における知識人ネットワークと都市表象の研究」と共催の形で、研究例会を2回開催した。その成果については研究業績欄を参照されたい。また、齊藤大紀が「湘西と北京──1990年代以降の沈従文研究から」というタイトルで日本現代中国学会全国学術大会で口頭発表するなど、共同研究者による論文4件、口頭発表8件という成果を得ることができた。また、2015年9月、中国現代文学の小説家、「沈従文と湘西」(湘西は湖南省西部、重慶に隣接し苗族による同じ文化圏を形成する)という研究テーマにより、共同研究者全員と志願した研究協力者3名、助手として学生2名を随行して現地調査を実施した。その主な概略を示す。 9月2日 湖南省湘西土家族苗族自治州・鳳凰県を訪問、沈従文故居、沈従文墓地を視察 9月3日 苗族の集落・茶洞(沈従文の小説『辺城』の舞台で、地図等には「辺城」という地名が記載されている)を視察 9月5日 苗族の集落・麻陽・呂家坪(沈従文の小説『長河』の舞台)を視察 等である。湘西は1980年代に城谷武男による現地調査報告がなされて以来、何人かの研究者によりフィールド調査が行われてきたが、世界遺産に指定され観光開発が著しい鳳凰県、辺城と地名変更がなされ公園化した茶洞に対して、『長河』の舞台である麻陽・呂家坪については、観光地という趣はないものの道路が建設され、また吊脚楼と呼ばれる苗族の特徴的な木造建築も、耐用年数の限界が迫って鉄筋の建物に置き換えられつつあることが判明した。上記も重慶を取り巻く長江流域の文化圏の現状として重要なものである。
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