本研究は、宋元以降に盛んになる白話(=口語体)文学のうち特に戯曲(=歌曲を含む中国伝統演劇)を主たる対象とし、作品がどのように既存のテキスト群を受容・統合・変形しているかというインターテクスチュアリティ(テキスト相関性)の様相を具体的な作品について明らかにすることを目的とし、次のような成果を得た。 戯曲の分野では、論文により、元雑劇「緋衣夢」及び『西廂記』のインターテクスチュアリティを明らかにした。小説の分野では、『紅楼夢』等のインターテクスチュアリティを論じた研究書(英語)を翻訳し刊行した。また、中国古典の読解にとって重要な用語についての編著を刊行した。
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