最終年度の4月に、研究協力機関であるイスファハン大学(在イラン)においてアッタール研究国際学会(英語タイトル:International Congress of Spiritual Horizon and Works of Attar-e Nishaburi)を2日間にわたって開催し、イラン国内外の研究者によるアッタール研究成果発表の場とした。アッタールの『神の書(Ilahi-namah)』の和訳については下訳が完成するに至った。最後まで問題点として残った細かい疑問点や翻訳が難解なペルシア語文章表現については、11月にアッタール研究についての講演を依頼していた海外の研究協力者の招聘時におこなわれた活発な意見交換によって、解決の糸口を見出す機会が得られた。 本研究の最終的な研究成果としては、最終年度4月に開催された上述の国際学会での研究発表を基にした8つの論考が『アッタール研究論文集(Proceeding of the International Congress of Spiritual Horizon and Works of Attar-e Nishaburi)』としてまとめ上げられ、年度末の3月にペルシア語・英語の2か国語でイスファハン大学から刊行された。論文集の出版披露会も3月におこなわれ、ペルシア神秘主義文学研究のさらなる多面的研究の必要性が確認されると同時に、本研究成果は、複数の国の研究者の協力体制構築、とりわけイランの国立大学と日本の国立大学法人の研究者との盤石な協力体制構築が高く評価された。 研究代表者は、上述の成果論文集に掲載された論文のほか、2点のアッタール研究論文を執筆するに至った。
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