研究課題
基盤研究(C)
12世紀のペルシア神秘主義詩人アッタールの叙事詩『神の書』の数多の逸話に登場する人物像に焦点を当て、女性や狂人、恋する者とその愛の対象等が物語で担う役割を明らかとし、数編の論文において成果として発表した。女性については、当時の社会状況から類推するに、アッタールは肯定的な眼差しをもって描出することも多いものの、いかなる特徴をもつ女性を物語の核に据えるかによって、その描出・表現方法は一定のスタイルを保ちつつも、担わされている役割には大きな差異が存在することが明らかとなった。また、『神の書』についてはこれまで邦訳がなされていなかったため、本研究期間中に精力的に和訳を進め、下訳が完成するに至った。
ペルシア古典文学