研究課題/領域番号 |
25370417
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
越川 芳明 明治大学, 文学部, 教授 (40143953)
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研究分担者 |
合田 正人 明治大学, 文学部, 教授 (60170445)
土屋 勝彦 名古屋学院大学, 国際文化学部, 教授 (90135278)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 離散(ディアスポラ) / 世界文学 / サンテリア / ユダヤ思想 / ドイツ語圏文学 |
研究実績の概要 |
各研究者が現地調査をおこない現地の研究者、思想家と意見交換をしたり、講演をおこなったりして知見を深めた。それとともに、国内では、各自の「離散(ディアスポラ)」をめぐる発表や論文を交換しあい、それぞれの個別発表の比較検討を通じて、初年度、二年度に共有した離散の概念を再検討した。 代表者、越川芳明は、2015年8月14日~9月12日までハバナに滞在し、サンテリアのババラウォの「イファ」占いと厄払い「エボ」の方法の調査をおこない、さらにハバナ大学文学部図書館でサンテリアについての資料収集をおこない、キューバの黒人文化における「離散」研究の成果をまとめた。論文「幻のキューバ サンティアゴのブルへリア(八)」『四重奏』や、著書『あっけらかんの国キューバ 革命と宗教のあいだを旅して』(猿江商会)などを刊行することによって、キューバの離散の黒人たちの思想に関して、イファ占いという技術の調査にによって知見を深めることができた。 分担者、合田正人は、2015年8月~9月6日まで、パリのフランス国立図書館およびカンヌの現代の記憶と出版会館文書館で文献調査をおこなった。日本ベルクソンプロジェクト「Memory and History」での招聘講演(法政大学)や、「ミシェル・アンリにおけるスピノザの蝕」『フラグメンテ』(法政大学出版局)などによってフランスのユダヤ系思想家たちのディアスポラ研究についての知見を深め、論文や講演でそれを世に問うた。 分担者、土屋勝彦は、口頭発表として2015年5月にオーストリア文学協会で講演を行い、越境作家たちとも面談し意見交換した。さらに世界文学・ドイツ語圏文学・越境文学に関するいくつものシンポジウムを運営・司会することによって、ドイツ語圏現代文学におけるインターカルチュラリティの側面から、「離散」の文学研究に関する知見を深め、論文にまとめることができた。
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