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2015 年度 実績報告書

東濃西部方言アクセントの研究

研究課題

研究課題/領域番号 25370427
研究機関富山大学

研究代表者

安藤 智子  富山大学, 人文学部, 准教授 (00345547)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードアクセント / 方言 / 岐阜県
研究実績の概要

東濃西部方言の総合的な記述の計画の一部として、3年にわたり音韻面の調査と分析を行ってきた。その中で今年度は特に多治見市における動詞のアクセントに焦点を絞り、分析を行った。東濃西部方言は、アクセントの面では東京と同じ中輪東京式アクセントと名古屋などと同じ内輪東京式アクセントが混じりあう。今年度の分析では、活用形が多治見方言と類似している愛知県岡崎市の中輪式アクセントと名古屋市の内輪式アクセントを比較対象とした。その結果、1拍2類名詞のアクセントが多治見市内でほぼ地域的に内輪式/中輪式に2分されるのに対し、動詞ではそのような地域的分断は見られないことがわかった。
ただし、動詞や活用形の種類によって、中輪式のアクセントを示すものと内輪式のアクセントを示すものがあった。具体的には、二類2拍一段動詞の過去形やテ形など(「見た」など)で無核となる点、一類五段イ音便活用動詞・一類一段動詞の過去形やテ形など(「聞いた」「並べた」など)で有核となる点などが内輪式の名古屋と共通している。一方、一類一段動詞の終止形・禁止系・否定形など(「入れる」「入れるな」「入れん」など)は中輪式の岡崎と一致している。特に山口幸洋氏が指摘する内輪式の特徴を比較の対象とした場合には、名古屋・岐阜と同程度に内輪式の性質を持った地域であると考えられる。
さらに、イ音便活用動詞のイ音に当たる特殊拍にアクセント核が置かれたり、「働く」が3拍目にアクセント核を持つなど、名古屋にも岡崎にも見られない独自の特徴、とりわけ有核の語形の多さが明らかになった。加えて、動詞に種々の付属語を伴った文節において複数の顕著なピッチの下降が観察されることから、今後、音声学的に詳細な記述の必要性があることが認められた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2016 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うちオープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 2件、 査読あり 1件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] 多治見方言における動詞のアクセント(1)2016

    • 著者名/発表者名
      安藤智子
    • 雑誌名

      富山大学人文学部紀要

      巻: 64 ページ: 39-69

    • オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 東京式方言アクセントの記述―多治見方言の場合―2016

    • 著者名/発表者名
      安藤智子
    • 雑誌名

      現代音韻論の動向:日本音韻論学会の歩と展望

      巻: 0 ページ: 0

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [備考] 多治見弁の部屋

    • URL

      http://tajimi-ben.jp/

  • [備考] 多治見弁blog

    • URL

      http://blog.livedoor.jp/tajimiben/

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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