研究課題/領域番号 |
25370432
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
田中 真一 神戸大学, 人文学研究科, 准教授 (10331034)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 語形成 / 借用語 / プロソディー / 知覚 / イタリア語 / 接辞 / 二重子音 / 長母音化 |
研究実績の概要 |
2年目に当たる2014年度は、日本語以外の言語における語形成のパターンと、その基盤として重要な部分である知覚特性についての研究を進めた。 とくに前者については、イタリア語のアルファベット頭文字語について、イタリア語外来語辞典をもとにコーパス調査を行った。イタリア語が基本的に最終アルファベットのアクセントを主強勢として残し、この点においては日本語と類似すること、それと同時に、この言語の一般的なアクセント結合規則が適用されることを確認した。また、子音始まりのアルファベットが一貫してその子音が二重子音化することを確認し、この点において日本語と異なることが明らかになった。さらに、この現象は、語末位置においてはイタリア語に観察される強勢による二重子音化現象と共通すること、また、通常の語形成のプロソディー現象と異なる点として、それが子音始まりのアルファベットすべてに適応されることが明らかになった。さらに、日本語では最も右側のアルファベット以外はアクセントが保存されない(アルファベット単独でのアクセントが消失する)のに対し、イタリア語では右側以外の各々のアルファベットに対しても第2強勢という形でアクセントの置かれるという点が明らかにになった。 後者の点については、日本語母語話者のイタリア語の単語の知覚について調査を進め、イタリア語の強勢音節と非強勢音節とで、日本語母語話者が異なる反応を示すことを確認し、そのことがイタリア語からの借用語受け入れに関係することが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
年度後半は、翌2015年度にイタリアで実施する調査の準備およびデザインに費やしたため、2014年度は形のある成果としてはそれほど多く残せなかった。しかしながら、トータルで見ると、実績を残すことが十分可能であり、当該年度の活動は不可欠な期間であると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2015年度は、まとめの年度にあたる。前半ではイタリア語の語形成についての実地調査を、知覚、コーパス両面から行う。後半では、昨年度までに得られた、おもに日本語に関する成果と、今年度前半に得られたイタリア語についての知見を対照させ、さらにそこに言語理論との関わりを考察することにより、3年間のまとめを行うつもりである。
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