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2015 年度 実績報告書

日本語と韓国語の複雑述語とモジュール形態論

研究課題

研究課題/領域番号 25370433
研究機関山口大学

研究代表者

和田 学  山口大学, 人文学部, 教授 (10284233)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード日本語 / 韓国語 / 複合動詞 / 複雑述語 / 軽動詞
研究実績の概要

本研究は,日本語と韓国語の複雑述語を包括的に対照することを当初の目的としている。この目的に従い,本研究においては先行研究において日本語と韓国語の複雑述語に関して挙げられた全ての統語的テストに加えて,新たなテストもいくつか提案し,これらを両言語の様々な複雑述語に網羅的に適用した。その結果として判明したことは,従来から日本語の複合動詞に関して知られていた語彙的複合動詞と統語的複合動詞という区分が韓国語にも成り立つことを明らかにした。一方で,日本語の複合動詞と異なり,韓国語の複合動詞には構成素の統語的独立性があることも明らかにし,複合動詞の類型として融合型と独立型という類型が存在することを提案した。また,日本語の複合動詞の中でもこれまで等閑視されていた複合動詞の構成素が韓国語の複合動詞と同様に独立性を持つことを示し,日本語内部でも融合型と独立型という二つの区分が成り立つことを示した。
更に,複合動詞以外の複雑述語,即ち,一部のイディオム,尊敬語化,複合移動述語,謙譲語化が語彙的もしくは統語的な特徴を示しつつ独立型としての性質も示すことを明らかにした。
加えて,両言語の軽動詞構文と統語的かつ独立型の複雑述語との違いを明らかにし,これらを整理した結果,両言語の複雑述語はいずれも融合型且つ語彙的なものと融合型かつ統語的な物,独立型且つ語彙的なものと独立型且つ統語的なもの,更には,軽動詞構文型の5類型のどれかに収斂することを示した。
先行研究においては,個々の複雑述語を,限られたテストに基づいて論じたものは見られたが,本研究は,両言語の複雑述語全体をテストを網羅的に用いて論じて分類を行った点で,包括性という当初の目的を果たしている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] 日本語と韓国語の複合移動動詞2015

    • 著者名/発表者名
      和田学
    • 雑誌名

      九州大学言語学論集

      巻: 35 ページ: 267-285

    • 謝辞記載あり

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公開日: 2017-01-06  

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