本研究は、現代沖縄社会の人々による自然談話を収集しコーパス化することで、架空のステレオタイプ的イメージではない現実の話しことばの実態を明らかにすることを主たる目的とした探索的研究である。研究成果は主に、(1)沖縄県で言語形成期を過ごした幅広い世代の話者による自然談話データを作成したこと、(2)作成したコーパスを用いて現代沖縄社会の人々によることばの使い分けの一端を明らかにしたことがあげられる。これまで現代沖縄社会の話しことばコーパスが皆無であったことを考えると、本研究の成果として作成したコーパスは、現代沖縄社会の言語運用のさらなる実態解明のために大いなる意義と活用可能性を有するだろう。
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