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2015 年度 実績報告書

依存・認可の関係性を基盤とする制約的音韻理論による日本語音節構造の実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 25370442
研究機関東洋大学

研究代表者

高橋 豊美  東洋大学, 法学部, 教授 (00639825)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード音節 / 制約性 / 音韻エレメント / 依存・認可 / 音韻理論
研究実績の概要

本研究は分岐韻を排した日本語の音節構造の理論を展開し、その妥当性について経験的論証およびメタ理論的考察を行うことを目的として開始した。平成25年度にまとめた論文では、頭子音についても分岐の有無を音節構造の決定要因のひとつとみなすことが余剰的であるとの主張に至り、平成26年度からは理論的枠組みの修正に着手していた。平成27年度は、引き続き主に文献調査によりこの作業を継続し、併せて実験計画の見直しを検討し、理論的枠組みの修正の方向性について目処が付く段階までたどり着き、研究会で報告を行った。
理論的枠組みの修正の方向性は次のとおりである。分岐の有無を認めることが恣意性をもたらし理論的制約性を損なうという考え方は、韻や頭子音など特定の音韻事象に個別的に認められる局所的な適格性を導くためのものにとどまらず、音節構造における分岐の存在に関する一般条件と捉えることができる。すなわち、音節領域Xが分岐構造を有するためには、音韻事象AについてAおよびAの連続(AA)が、かつ/または、独立した音韻事象AとBについて時間的に連続する現象ABおよびBAが、それぞれ不可分の単位Xとして機能する経験的根拠を有する場合にのみ、Xは分岐構造を有すると考える。この枠組みによると、音節そのものが分岐して頭子音と韻という構成要素に分かれることも不要となり、結果的に導かれる表示では韻律の基本単位が韻脚に直接構成素となる。
この修正は、音節構成要素の非対称性について主要部・依存部という概念を恣意的に流用して説明することが不要となる、日本語のように母音の連続が許容される言語の分析的枠組みを提供する、などの利点をもたらすが、購入を延期していた機器の入手に遅れが生じたこともあり、本研究の期間内にかたちにまとめることができなかったため、平成28年度に学会発表と実験実施を経て、平成29年度に論文にすることを計画している。

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公開日: 2017-01-06  

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