研究課題/領域番号 |
25370451
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研究機関 | 新潟青陵大学短期大学部 |
研究代表者 |
青木 繁博 新潟青陵大学短期大学部, 短期大学部, 准教授 (10341992)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ワードペア / 英語並列表現 / binomial expressions / 認知言語学 / 認知意味論 / 中英語散文 / 文体論 |
研究実績の概要 |
2年目の研究としては、1年目から継続して、認知言語学・認知意味論・言語学・英語学・中世英語英文学等に関する書籍を多数購入し、英語ワードペア表現に関係すると考えられる分野における文献調査を行った。加えて、複数のコーパスや辞書データ等の資料にあたり、今後展開する予定の理論の裏付けとなるワードペアの用例を収集したほか、過去に収集したペア例を含むワードペアの用例を整理し、論文等で利用できるよう準備を進めた。これらの点については以下に述べる口頭発表・論文発表の成果につながった。 対外的な活動としては、日本英文学会、近代英語協会、日本英語学会、日本認知言語学会などの大会に参加して最新の研究動向に触れるとともに、日本中世英語英文学会では口頭発表「プロトタイプ理論とThe Shewings of Julian of Norwichにおけるワードペア」を行った。これらの活動を通じて、諸先生方からのフィードバックを得、また見聞を広げることによりこれまでの理論を精緻化し、特に「ワードペアのモデル化」を進めた。 さらには、ここまでの研究活動や、これまでに得た知見等を踏まえて、論文「特定の文学ジャンルにおける中英語ワードペアのヴァリエーション」を発表した。これに関しては、今後、ワードペアとジャンル・時代・作家の文体等との関係を広く論じる上で基盤となる観点を提供したと位置付けられる。 上記のような研究実績(ワードペアの形態を考察するもの、理論展開の基礎になるもの)を踏まえて、ワードペアの意味に関する考察を進める3年目の研究に移行することになる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
関連分野における文献調査は概ね順調であった。研究成果の発表については、2年目も1年目と同様に、口頭発表と論文発表をそれぞれ1回ずつ行った。3年目中にも口頭発表・論文発表が行えるよう準備をしている。 口頭や論文で発表した内容については、「ワードペアのモデル」として複数のプランを考えた中で、論文等で提示できたモデルがある反面、2年目に何らかの形で提示できると構想したが間に合わず、発表できなかったモデルが残ってしまった点はやや遅れを感じる部分ではある。そのモデルに基づく論文は3年目に発表するつもりである。 その他、理論を裏付けるための用例の整理・収集については概ね順調で、今後発表する論文等で利用できるよう準備が整っていると認識している。論文等で発表すべき内容についてもある程度構想がまとまっており、これらの状況については当初の見込みよりも進展していると考えられる。 以上の観点から、進んでいる面と遅れている面とを総合的に考慮して、研究は順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題の核心となる「ワードペアの意味」に関する研究を進める。これまでに収集・整理したワードペアの用例に基づき、ワードペアの意味の複数の局面を論じる研究発表を行う(口頭発表または論文を作成する)。時代的にも異なる様々なタイプのワードペアについて、しかしそれらに共通する面を具体的に明らかにするとともに、認知言語学的な観点から、ワードペアの意味変化、語句の意味関係、意味が伝わる場面における認知的なプロセス等を記述・説明し、ワードペアに関する理論を体系的に構築することを目標とする。 さらには、ワードペアそのものを取り巻く周辺的な事例にも目を向け、上述のようなワードペア全般に通じるであろう理論・モデルがそこでも等しく適用されるかといった点について、今後につながる発展的な観点を提供できる研究を発表することを目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度(平成27年度)中の海外出張に使用できるよう海外旅費を残したことが主たる理由で、当初の見込み額と使用額とが異なることになった。
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次年度使用額の使用計画 |
7月に関連の海外学会に出張、その他複数回の学会への旅費、文献の購入等で全額使用される見込みである。
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