(1)徳之島浅間方言のアクセント体系は,通説のN型アクセントと違い,全体の形を問題とする4つのパターンと1つの上げ核からなる多型アクセントと解釈した。(2)与論島諸方言も,全島が昇り核による多型アクセントであることを明らかにした。(3)喜界島中南部諸方言は,地名や外来語の調査の結果,3型アクセントであることが明らかになった。(4)3型アクセントを基本とする与那国島方言は,類別語彙,複合語,動詞活用形にまで調査を拡張して詳しい報告をした。(5)複合名詞とその前部要素との間に式保存が成り立つか否かに関し,伝統的方言複合語と生産的新複合語との関係が大きく6つの類型に分けられることを明らかにした。
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