研究課題/領域番号 |
25370456
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
山本 秀樹 弘前大学, 人文学部, 教授 (20200834)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 言語学 / 言語類型論 / 言語類型地理論 / 地理情報システム / 世界言語地図 / 格標示 |
研究実績の概要 |
24年度までの科研費によってデジタル世界言語地図を構築したが、それは、研究代表者が抽出、収集した約3,000言語の基本語順特徴データのみであった。 本研究の主な目的の一つは、それらの研究をさらに進めて、しばしば基本語順と相補的な関係にあり、人類言語の根幹に関わるきわめて重要な特徴である格標示について、可能な限り世界の多くの言語からデータを収集し、最大規模の格標示のデータベースを構築することである。さらにもう一つの目的は、それらのデータを、以前構築した地理情報システムによるデジタル世界言語地図に組み入れて、迅速かつ詳細に、様々な検索、表示、分析を可能にすることである。 この種の研究では、世界諸言語からのデータ収集が、最も重要で時間と労力を要する作業となる。25年度より世界諸言語の格標示データの収集に着手し、今年度も引き続き、より多くのデータを収集した。また、格標示データに関して、デジタル化して地図に組み込むべき特徴やそれらの判断基準を、昨年度に収集したデータも含めて、整理し直していった。具体的には、自動詞構文における単一項のS、他動詞構文における動作主的項のAと被動者的項のPの格標示について、代名詞、名詞、動詞における格関係の表示パタン、分裂の有無等のデータを整理した。 これらの作業によって、最終年度には、それらのデータを、デジタル世界言語地図の言語と照合しつつ、地図に組み入れ、様々な地図表現を行う計画である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
世界諸言語から格標示データをさらに多く収集し、デジタル化して地図に組み込むべき特徴やそれらの判断基準を具体的に定めて、地図化に相応しい形でデータを整理できた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、さらなる格標示データの収集、整理に努めつつ、デジタル世界言語地図の言語名と収集データの言語名を照合、統合する。そして、デジタル世界言語地図に格標示データを組み込み、様々な地図表現を行い、結果を報告書にまとめる計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は、基本的に所有していた記述書および研究書に加えて、新たに購入した書籍によってデータの収集、整理を行い、特に旅費などを使用する必要が生じなかった。また、最終年度にあたる次年度は、様々な地図表現を行うための役務費、および多数のカラーによる言語地図を収録した報告書の印刷費に相当の額がかかる可能性もあるので、最終年度にやや余裕を持たせるために予算を残した。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度(最終年度)は、主として、収集してきた格標示データをデジタル世界言語地図に組み込んで様々な地図表現をするための役務費、および研究成果の報告書の印刷費に使用する。また、必要に応じて文献資料や物品(消耗品)を購入する。
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