研究概要 |
フメー語、フムー語、コション語について、これまで申請者が記述してきた内容を、文法項目ごとの記述の枠組みへ整理する作業を行った。この枠組みは,申請者が,Bouquiaux Luc and Jacqueline M. C. Thomas (1992),Yue-Hashimoto, Anne (1993)などの文法調査の枠組みをもとに,言語類型論研究で着目されている項目を中心に作成したもので,Haspelmath, et. al. (2005) の項目を含むように編集してあるものである(例文は漢語で作成してある)。また、フメー語について、全体として通読可能な文法書の作成にも取り掛かっている。 具体的な内容としては、フメー語についてHaspelmath, et. al. (2005) の項目について記述を完成させたほか、可能な項目に関してはフムー語、コション語についても記述を行った。また、これらの言語に特徴的と考えられる動詞連続のパタンについてもフメー語を中心に整理を行った。これらの言語では、動詞の制御可能性(随意・不随意)を重要な特徴としていると考えられ、それによって動詞連続の特徴が決まると考えられる。2つの動詞からなる場合を考えると、V2に[不随意]の特徴を持つ場合にのみ、未然を表す接辞的成分(或は助詞)が現れ、全体として目的構文を形成することを明らかにした。 基礎資料として、ミャオ語系の言語、パナ語のテキスト集を発表した。
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