研究実績の概要 |
今年度は、フメー語(Hmyo)の記述研究を進展させ、必要なデータをおおむね収集することができた。さらに、パナ語の補充調査を行い、データを補充した。また、貴州民族研究所の研究員との共同研究を行うことができた。その成果としては、貴州省東部で話されるフムー語(Hmu)においては、関係節形成、動詞(および形容詞)の名詞化について、ション語(Qo Xiong, Xong)及びフメー語と大きな差があることが分かった。フムー語の関係節では、関係節を名詞に後続させ、その間に関係節標識を置かない。関係節の標識は、節末に現れる指示詞が、そのあとに現れる動詞句との間の境界を示す点にのみ求められるようである(イントネーションに関しては、今後補充調査する必要がある)。また、動詞の名詞化で、動詞のActorあるいはUndergoerを表すものについては、類別詞にその機能がある。これは、ション語及びフメー語には見られないもので、フムー語の改新である可能性がある。これらについては、さらに他のミャオ諸語について調べ、分布図を作成したい。 成果の発表については、パナ語のテキストを公刊し、またミャオ語の系統論について口頭発表を行った。
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