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2013 年度 実施状況報告書

アイスランド語における動詞の自他交替の研究

研究課題

研究課題/領域番号 25370468
研究種目

基盤研究(C)

研究機関金沢大学

研究代表者

入江 浩司  金沢大学, 歴史言語文化学系, 教授 (40313621)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードアイスランド語 / 自動詞 / 他動詞 / 自他交替
研究概要

本年度は現代アイスランド語の動詞の自他交替について、形態・統語的にどのようなパターンがあるかという全体の拡がりを明らかにし、またどの部分に生産性があるかに焦点を当てて研究を進めた。言語データの収集方法としては、アイスランド語文献の調査を行なうとともに、2013年9月上旬にアイスランドにおいてアイスランド語話者の協力による言語調査を行なった。
アイスランド語における形態的な関連のある自動詞・他動詞の対応パターンとしては (a) 自他同形A(他動詞の被動者項の格形が自動詞文で保たれない)、(b) 自他同形B(他動詞の被動者項の格形が自動詞文でも保たれる)、(c) 他動詞は弱変化動詞/自動詞は強変化動詞、(d) 他動詞に接尾辞-naをつけて自動詞を形成、(e) 他動詞に再帰代名詞由来の接尾辞-stをつけて自動詞を形成、といったものが代表的である。数の上では (e) によるものが圧倒的に多く、また、(e) のパターンの中で意味的に逆使役と考えられるものだけが生産性をもつ。一方で、接尾辞-stをもつ動詞は意味の面で再帰、相互、身体動作など、いわゆる中動相の領域に広く分布しており、その中で動詞の自他交替に中心的にかかわる逆使役の位置づけを考えた。この用法は受動的用法ともつながり、生産的な受動構文との違いについても考察した。
本年度の研究成果は口頭発表1件、雑誌論文1件の形で公表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

「研究の目的」に記した研究内容をおおむね遂行することができ、本年度の実績として、研究発表を一件行ない、論文を一本発表することができたため。

今後の研究の推進方策

本年度に収集した言語データの分析と新たな調査、およびそれに基づく文法記述の作業を進める。具体的な方策としては、日本国内とアイスランド本国における言語調査および文献の収集・調査を引き続き行い、言語データの収集に努める。
研究内容面では、アイスランド語の動詞の自他交替の個々のパターンについて、その細部を明らかにしていく。特に再帰動詞と逆使役をめぐる問題に焦点を当てて研究を進める。
研究成果については、学会での口頭発表、あるいは専門誌や所属機関の紀要等に論文を積極的に投稿することで公表することに努める。

次年度の研究費の使用計画

人件費・謝金に計上していた金額の執行の必要がなかったため。
日本国内での調査協力者に対する謝金として使用する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 現代アイスランド語の動詞の自他交替の概要2014

    • 著者名/発表者名
      入江 浩司
    • 雑誌名

      金沢大学歴史言語文化学系論集 言語・文学篇

      巻: 6 ページ: 25-40

  • [学会発表] 現代アイスランド語の動詞の自他交替の概要

    • 著者名/発表者名
      入江 浩司
    • 学会等名
      国立国語研究所共同研究プロジェクト「述語構造の意味範疇の普遍性と多様性」研究発表会
    • 発表場所
      新潟大学
  • [備考] 金沢大学学術情報リポジトリ

    • URL

      http://hdl.handle.net/2297/36952

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公開日: 2015-05-28  

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