• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実施状況報告書

アイスランド語における動詞の自他交替の研究

研究課題

研究課題/領域番号 25370468
研究機関金沢大学

研究代表者

入江 浩司  金沢大学, 歴史言語文化学系, 教授 (40313621)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードアイスランド語 / 自動詞 / 他動詞 / 自他交替
研究実績の概要

本年度は現代アイスランド語の自動詞のうち、特殊な構文をとる天候表現を中心に研究を行なった。関連文献の調査等、国内での準備を進めた後、2014年9月上旬にアイスランドにおいてアイスランド語母語話者の協力を得て言語調査を行ない、次のようなことを明らかにした。
アイスランド語の天候表現で、叙述の中心となる語の品詞に注目すると、(a) 動詞による表現、(b) 名詞による表現、(c) 形容詞による表現、がある。天候表現では虚辞代名詞の使用が特徴的で、動詞による表現と一部の形容詞による表現では、二種類の虚辞代名詞がある(文頭位置でしか現れない中性単数代名詞と、省略不可能でありながら指示対象をもたない男性単数代名詞)のに対し、名詞による表現では中性単数代名詞のみが虚辞として使用される。「血の雨が降る」等の動詞述語による比喩表現においては、項のとり方において、与格項をとる自動詞文や他動詞文とも共通性がある。
現地調査により得られたデータに基づく研究成果は論文の形でまとめ、年度末に所属大学の紀要に投稿し、掲載された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

昨年度の実施状況報告書の「今後の研究の推進方策等」には、動詞の自他交替のパターンと逆使役をめぐる問題の研究に焦点を当てて研究を進めると述べていたが、本年度はこの点についての研究があまり進展しなかったため。

今後の研究の推進方策

次年度は本研究課題の最終年度にあたることから、まずは残された問題を精査し、その解明のためにどのようなデータが必要であるかを明確にしておく。その上で、8月または9月にアイスランドにおいて二週間程度の現地調査を実施し、言語データの収集に努める。
研究内容面では、自動詞表現と他動詞表現の交差する意味領域の研究を進めるとともに、動詞の形態的な自他交替の中心的位置を占める再帰接辞の有無による交替に関して、動詞ごとの構文レベルでの変異について明らかにし、研究の総括を行なう。
研究成果については、学会での口頭発表、あるいは専門誌や所属機関の紀要等に論文を積極的に投稿することで公表することに努める。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] 現代アイスランド語の天候表現2015

    • 著者名/発表者名
      入江 浩司
    • 雑誌名

      金沢大学歴史言語文化学系論集 言語・文学篇

      巻: 7 ページ: 25-40

    • 謝辞記載あり

URL: 

公開日: 2016-05-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi